放浪する私

私の「人生やりたかったことリスト」、その進捗状況と結果報告など。

コロナがもたらしたもの(マスクは大事)

2020年3月、この国にも本格的にコロナウィルスがやってきました。

多くの人がそうだったように、この国の医療関係者ですら、当初はこのウィルスの蔓延スピードや重症化具合を軽視していたように思います。

 

マスクへの抵抗感

日本や韓国、中国では、マスクに対する抵抗感はさほどないように思います。しかし、欧米諸国として括られる国々において、マスクをつけて生活することはとても珍しく、「病院から抜け出してきた人」というネガティブなイメージで見られてしまうものでした。

日本でいう厚生労働省のトップは、「マスクをつけることで、ウィルスに触れた手が顔に触れる機会が多くなる。これによりコロナウィルスが目の粘膜、鼻や口から体内に侵入する。マスク着用はコロナウィルス罹患を助長するようなものだ。つまり、マスクをつける必要はない。」とスピーチ。感染について詳しいといわれる専門家の方たちもマスク着用に対して否定的な意見を述べていました。それほど、この国においてマスクの使用意義は理解されていなかったんですね。

 

パンデミックがもたらしたアジア人への偏見とその顕在化

私は2021年まで学校に通っていました。パンデミック化する前のことから、当時のことを振り返ってみたいと思います。

2020年1月時点、コロナウィルスが東アジア圏で爆発的に流行しており、急速な感染拡大がヨーロッパ圏内で起きている。そのようなニュースが流れました。しかし、私の周りの人たちの危機感は低く、「見知らぬ国で起きている大変なこと」という認識が大半でした。まさか自国まで広がってこないだろう、そう考えていたのだと思います。

2020年2月、韓国や日本から来たほとんどの学生はマスクを着用して登校し始めました。この頃から、アジア人ではない学生たちは、マスクをつけている私を避けるように移動し、自らの腕を口元にあて、大袈裟に私から顔を逸らす。気のせいとして片付けるにはわかりやすいくらい、アジア人へのヘイトが顕在化しだしたのを肌で感じていました。

2020年3月、マスクや消毒液類はすでに入手困難になっていました。学校内に入るためにはマスクが推奨されていましたが、強制ではなかったと思います。校内の図書館にはまだ生徒が入ることができました。私が持っていた手指消毒ジェルが盗難にあったのはこの頃です。感染予防のためにマスクを着用する学生が増え、一方で、アンチマスカーが目立ち始めました。3月中旬頃、ロックダウン開始。学生は校内立ち入り禁止になり、授業はリモートに切り替わりました。アジア人への怒りや偏見はより強まり、コロナウィルスを口実に、もともと隠していたアジア人へのヘイトの気持ちを表す人たちが増え始めたと思います。ロックダウン以降、バスに乗ったりスーパーへ行ったりしないといけなかったのですが、私は常に緊張感でいっぱいでした。

 

広く周知された感染予防策

「感染予防にマスクをつけよう。他者のくしゃみから飛沫感染するリスクがとても高く、それがこのウィルスをとても早いスピードで蔓延させている理由だ。」
首相がこのようなスピーチをしたのは、2020年4月に入るころだったと記憶しています。その後の国の対応の速さには感心するものがありました。臨機応変に対応する姿勢はこの国のいいところの1つです。

このスピーチのおかげで、人々の意識は当初のものとは真逆に変わり、みんながマスク、もしくはそのようなものをつけ始めました。そして、マスクビジネスが瞬く間に広がったのでした。

 

医療機関ではマスクが必須

2022年6月現在、この国では、マスクの規制は解除されてきています。
医療機関では依然としてマスクが必須です。私はこれに大賛成で、このまま医療機関でのマスク着用が根づけばいいなと思っています。日本で働いていた頃は、マスクをしないと怖いくらいだったので、この国の感染予防の意識の低さや管理の甘さを心配していました。しかし、コロナパンデミックがあったことにより、マスクの予防着用という使用意図が広く理解され、本当に良かったと思っています。

 

恐怖心は人によってさまざま

「遅かれ早かれ感染する」とか「感染してしまったものはしょうがない」といった声がクラスメイトからあったのは2020年9月頃。正直なところ、私は非常に怖かった。感染することもですし、周りにこういった意識の方々がいることに。それを防ぐための勉強をしているのに、「しょうがない」と言い切っていることに違和感があったのです。

現在はサル痘が流行っていますね。私の周りの方たちはコロナほどの危機感を持っているようには見えません。基本的な手指衛生を保って生活していれば感染は防ぐことができるようですので、引き続き、コロナウィルス対策同様の予防対策をして過ごしたいと思います。

 

こちらの記事を読んでくださり、ありがとうございました。